フィールドデータ
クラウド伝送サービス
「SESAME」から生まれた

SESAME-AGRI

弊社製品であるフィールドデータ クラウド伝送サービス「SESAME」は国内はもちろん、海外でも高く評価されています。さまざまな現場の問題解決のため地道にコンサルティングを行い、農業、環境、防災などの分野で社会に貢献することを目指しています。

国土交通省の危機管理型水位計や河川監視カメラ、また国際協力機構(JICA)とも連携、インドネシアでは政府系の水管理公社が約50カ所で当社のシステム遠隔監視ソリューション「SESAME」を導入しています。

この確かな実績と農業土木コンサルタントの経験と知識をもとに、アドバイザーとして現役農家さんを迎え、農業の現場における問題解決のために本当に必要なIoT技術を提供するのが、みどり工学研究所の農業見守りシステムSESAME-AGRIです。
SESAME-AGRI は「圃場見守りシステム」から、「自動巻き上げ機遠隔制御」「自動灌水」「水質管理」まで、さまざまなニーズにお応えするためのソリューション・サービスです。現場で抱えている課題を、汎用センサーと当社IoT製品、クラウドサービスをトータルでカスタマイズして解決していきます。

SESAME-AGRIとは

シンプルな
ハウス内・外の
環境モニタリング

温湿度・土壌水分・CO2の情報を
モニタリング・グラフ化で
ハウス内環境がひと目でわかる​

測定データはクラウド上に蓄積されているので
過去との比較が容易​

ハウス外の簡易型総合気象計は
局地的な雨なども記録​

カメラの画像でハウス内・外の状況を確認​

提供中のサービス

複数のハウスを管理

  • データ収集サーバ(親機)1台に対して、複数の子機が接続可能 
  • AC電源設備のない場所でもOK
  • 太陽電池による無給電長期観測可能​
  • 配線不要

高性能センサー

  • ハウス内では強制的にファンを回す強制通風式の温湿度センサーが必須​
  • 土壌水分計
  • CO2計
  • 簡易型総合気象計(降雨量・風速・風向・日射量など)

データの見える化

  • フレキシブルなデータ分析
  • PC、タブレット、スマートフォンから閲覧
  • 過去データはクラウドに保存
  • お知らせメール
  • 農業日誌

「SESAME」は
ここが違います

ハウス内では
強制的にファンを回す
強制通風式
温湿度センサーが必須​

強制通風式と自然通風式の温度差は最大5℃(当社計測)

一般的にハウス内外では、温度センサーは日射除けだけを備えた“自然通風式温度計”が広く利用されています

しかし、風の影響が小さいハウス内では、正確な温度測定のため周辺空気とセンサー温度を平衡にする必要があります

農作物の開花期、成熟期の予想に用いられる積算温度には正確な温度が必要​であることから、弊社では独自に開発した”強制通風式温度計”を使います

自然通風式と強制通風式の温度差相関図
強制通風式温度計

電源設備がいらない
配線もいらない

携帯電話網と無線通信利用

データ収集サーバ(親機)1台に対して、複数の子機が接続可能​です

太陽電池による無給電長期観測が可能​です

データ収集サーバ(親機)と子機の間は無線のため配線不要です  


見る、撮るだけでない
「守る」カメラ

夜間や悪天候の場合も、現場へ行かずとも24時間態勢の監視が可能です

真っ暗な夜間でも撮影できます

人や害獣の侵入を検知し、警報音を鳴らすことができます

非常時のみビデオを送信および録画すると、確認と検索が容易になり、必要な帯域幅とストレージ容量が低減されます


農家さんの声
「1年間の
試験導入実績から
見えたもの」


みどり

SESAME-AGRIを試験的に導入していただきありがとうございます。

はじめに地元で就農された経緯や地域への想い等をお聞かせ願えますか?

私の出生地である共和町は、古くは稲作を中心としてその他は雑穀の栽培する地域でした。しかしその栽培規模は零細で経済的には決して裕福なものではありませんでした。また、特に私の住む発足地区は宮丘地区の畑地は当時、全道でも有名な石礫地帯で、優良な農地も少なく規模拡大も困難な状況でした。そんなか私の父が若いころ同じ志を持つ仲間数名と農家経済の向上のために当地に適する作物を特産化しようと道内各地を視察しスイカの栽培にたどり着きました。試作したところ意外にも市場の評価は高く、年を追うごとにその作付面積は増え、ブランド名も「らいでんスイカ」に決定しその面積と耕作者を増やし将来への展望も持てるようになったのです。そんな父たちの思いを守りたい。我が家の経営再建を進めるうちにそう思えるようになったのです。今後も、若い人たちが同じ思いをもってさらに飛躍していってほしいと思っています。

システム導入に至った経緯は?

以前から、多少はIOT、ICT、スマート農業には関心がありました。自分たちの作物管理を見える化することは今後の作物栽培管理に必要と思われます。そんなことを考えてるときにいいタイミングでみどり工学さんと関わりを持つことになりました。

弊社もこの出会いがひとつの転機になりました。

システム導入の効果はいかがでしょうか?

勘や経験は必要な要素の一つかもしれませんがデータを基にした合理的な管理は、熟練した栽培技術の継承や栽培初心者の習熟期間の短縮につながるものと考えます。また、この分野は発展途上であり、今後予想されるAIの進歩や自動化へのステップとして重要と考えます。ただ省力化するだけではなく得られたデータを分析することにより、さらに高品質安定生産によりマーケットの信頼を高めることにつながると思います。

収集したデータをどのように活用するかが重要ですね。

SESAME-AGRI はデータ収集から分析までトータルな視点で考えられたシステムです。過去のデータを参照したり、多地点と比較することで栽培管理に活かすことができ、生育品質向上につながるのではないでしょうか。仰る通り、AI への橋渡しになると期待しています。

SESAME-AGRI の農業日誌についてはいかがですか?

みどり工学さんのポータルメニューの中に作業日誌が盛り込まれていますが、日々の記録としての役目は果たしていると思いますが、農家の作業日誌の入力方法として作目、作型優先で入力するのか、人優先で入力するのか、それとも土地優先で入力するのかで使い方が違ってくると思います。シンプルかつ分かりやすく入力しやすい形を今後も追及していただきたいと思います。

良いものを作るために現場の声を大切にしています。

これからもどんどんご意見をお聞かせください。

その他、良かった点は?

正確な温度を知ることができたことで、ハウスの自動換気装置の設定へ反映することができました。また、ハウス内の温度状況やハウス内の映像をリアルタイムで監視でき、栽培管理に時間的かつ精神的余裕ができました。

ありがとうございます。

1年目は試行錯誤ばかりでしたが、少しでもお役に立ててよかったです。

では、今後の改善点についてはいかがでしょうか?

秋になり日照時間が少なくなるとソーラーでの電源自給が厳しくなることでしょうか。

弊社では消費電力を試算し、無駄のない給電能力(ソーラーパネルやバッテリー)設計をしております。

ソーラーパネルは太陽高度や向きによって発電効率が大きく変わります。季節によってパネルの角度や向きを調整するとベストなのですが、なかなかそうもいきません。年間を通しての給電効率の最適化を再検討したいと思います。

その他、システムに対するご要望をお聞かせください。

低温期(定植前、定植期)には地温も取れたほうがいいのではないかと思っています。

また土壌水分も必要かもしれません。

そうですね。

安価なセンサーでは正確な値が取れないこともあります。センサーの測定技術も格段に進歩しているようなので、よいセンサーを選定するのも弊社の役割と考えています。

装置の小型化も必要ですね。小型化することで設置場所の制約を受けなくなり使いやすくなると思います。

貴重なご意見をありがとうございます。大変参考になります。

最も重要なのは導入コストで、費用対効果の均衡を図るためには導入しやすい価格に抑えることが必要になると思います。または導入することで、明確に増収することの裏付けが必要です。

仰る通りです。費用対効果の算定の為にもぜひ今後もご協力をお願いします。

今後の農業についてどのように感じていらっしゃいますか?

私が就農してから今までいろいろな会合に出席してその中で主催者が挨拶するときには必ずと言っていいほど「厳しい農業情勢」という言葉を聞いてきました。それはこの先も一貫して変わらないでしょう。
 農業後継者(担い手)の減少、遊休農地の荒廃化、農家戸数の減少による地域営農機能の崩壊、村落の社会機能の喪失などすべて農家戸数の減少が起因するものです。農業は、単独経営ではなかなか成り立たないもので、地域社会とともに維持発展するものと考えます。今後、今の社会情勢や消費構造に即した地域農業の構成変換を果たしていかなければいけないと思います。現状では、個人経営の経営体が主体でその経営規模も拡大傾向とは言いながらもいまだに零細です。国の農業政策も急激に荒廃、縮小し続ける農業に対して迷走し明確な道筋を示すことができずにいます。持続的な発展を意図しながらもその一方で政府内部では不要論もある。今のままでは、消費者(国民)の望む商品(食料品など)を供給する力はなくなってしまうと考えます。将来、日本の経済力が低下し円レートも下がっていったならと思うとゾッとします。
 目標とするところは、“強い農業”だと思います。一産業として自立し、日本の食卓を豊かにし、技術も革新していかなければなりません。

弊社でも、当初から農業の重要な位置づけについて常に考えてきました。そして、これまでのノウハウや知識を活用した SESAME-AGRI を開発しました。さらに使いやすく、費用対効果の高い製品を目指して今後も改良を重ねていきたいと考えています。

農業IoTに対する期待、今後の展開はどうなっていくと思われますか?

こんなものがあればいいな・・・そう思ったものが次々と世に出て、それが当たり前になってゆく。夢を実現する大事なアイテムの一つになってゆくと実感しています。農業は、自然任せだから天候が悪いと不作は当たり前・・・今はそんなこと許されません。失敗は許されなくなったのです。安定した生産を支える手段の一つになると予感しています。

人間が不得手とするところをスマート技術が担ってゆく時代はすぐそこに来ています。

多く利用されるようになると導入しやすい価格に落ち着いていき、それが当たり前になっていくと思います。今は、高価な自動運転のトラクターもやがては普通に利用されるようになっていくかもしれません。やがて、無人のトラクターが畑を耕し、種子を播き作物管理をし収穫する時代もやってくるかもしれません。現場での新たなイノベーションを巻き起こしていくと感じています。

無限の可能性を感じますね。SESAME-AGRI も、常に新たな視点で真に有効なデータを最大限に活用できるシステムへと発展させていきたいと思います。

ありがとうございました。引き続き、ご指導のほどよろしくお願いします。

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